海外と比べて突出した抗精神病薬の多剤大量処方の現状を鑑み,すでに多剤大量処方となってしまった患者に対する現実的な減量法について,過去の知見を踏まえて「1つずつ,ゆっくりと,休んでもよい」SCAP法が考案された.その検証のための臨床研究を行った結果,臨床症状・副作用・QOLともに変化なく,また悪化による脱落も少ない方法だと検証された.その成果について,減量支援シートを現在公開したところだが,今後研究の限界点を踏まえた,臨床活用可能なガイドライン策定に向けたさらなる検討と解析を行うところである.「多剤か,単剤か」といった二分思考を超えた,現実的な多剤大量処方の緩やかな是正は,患者にとって負担の少ないものであり,今後高齢化していく精神科医療の案全体を考えた際,現実的な方法であると考えている.
第110回日本精神神経学会学術総会
抗精神病薬多剤大量処方からの安全で現実的な減量法:SCAP法
1)国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神保健計画研究部
2)国立病院機構鳥取医療センター
3)青山学院大学国際政治経済学部
4)東邦大学薬学部臨床薬学
5)公益財団法人神経研究所
6)産業医科大学医学部精神医学
7)藤田保健衛生大学医学部神経精神科学
2)国立病院機構鳥取医療センター
3)青山学院大学国際政治経済学部
4)東邦大学薬学部臨床薬学
5)公益財団法人神経研究所
6)産業医科大学医学部精神医学
7)藤田保健衛生大学医学部神経精神科学
精神神経学雑誌
117:
305-311, 2015
<索引用語:統合失調症, 多剤大量処方, 抗精神病薬, 薬剤減量>